WHILLの野心

今朝、FCCJの朝会でCEOである杉江 理氏(スギエ・サトシ)にお話しを伺った。
そもそもWHILLと言う会社、最初は全く違った存在であった。
当時(2010年)日産で杉江氏が裏プロジェクトをやっていたところ見つかって(どこでもある話し)数ヶ月人事とやり取りして退職を決めて、何か小さいモノを作って売れば良いという発想だったらしい。

そして、2011年に試作品を出して、世界中から関心が集まり、これはイケる!と確信。
そう、2011年ころに実は私も注目し、これをどこかで見れないかウロウロ回った。

WHILLの名前の由来は「WHEEL+WILL」の造語であるとのこと。
創業者にはソニーからの内藤氏とオリンパスからの福岡氏が会社を切り盛りしている。

さて、車椅子はイノベーションが全くない商品である。
1932年から全く進歩がない。
あれはどうにかならないか。
車のワイパーと違って完成形の形をしているわけではない。
座っている人も押している人もみんな不便を感じているはず。
なぜ今まで発展がなかったのか。

私見だが、たぶんここに触れたくない人間の意識があったのかと思う。
それは、介護の仕事現場を見たり、とくに病院もそうだが、車椅子の人の扱い、車椅子そのものの扱いに戸惑う人が大勢いるからだと思う。とくに日本人は目をそらす傾向があるかと思う。
私の友人も車椅子生活をしている人がいる。

まず、普通の人は車椅子がスタックしたら、突然やってきて、相手に何も聞かずに勝手に起こしたり押したりすることはやってはならないと言うことを理解していない。
最初にやることは声をかけて「何をして欲しいか」を聞く事である。
相手は、突然引っ張られたり、押されたりすると恐怖を感じるから、正面から「ナニして欲しい?」と聞いてから手伝いが必要なら手伝う、そうでなければ本人に任せることが大事だと言うことだ。

これは、車椅子の友だちを持って、はじめて知ることである。
みんなも知っていて欲しいです。

さて、WHILLに話しを戻します。
今、日本では800台ほど出回っている。
アメリカに拠点を移動させたのは、アメリカではマーケットが15〜20倍あるからだ。
理由は肥満大国だからである。

Business Insiderの視点では2020年までには1000万台の自動運転車が道を走っているだろうと。
その数字は懐疑的だが、全自動でなくても、自動停止装置(スバルのアイサイト搭載車みたいな装置を含む)なら考えることはできる。その中で、WHILLの野望と言うのは?

まず、マーケットだけでも約$3.4T(3兆4億ドル!)の市場があると。
その中には開発と製造で1兆ドルの市場がある。

更に舗装整備などのインフラ整備で1000億ドル強。
WHILL社がその10%だけでも11億ドルでも確保が出来ればと。

 

そして知って欲しいのは、WHILL社はTESLAみたいだと杉江氏は言った。
システムを作り、そこにナニを乗せるかは他の人次第だと。
つまり、アメリカやイギリスのコーチビルダーに任せるってこと。
ロールス・ロイスはエンジンとシャーシーを提供した。
そこに色々なボディメーカーがあり、独自に発展していった時代がある。
WHILL社もそうなりたいと。

WHILLはこのように簡単に操作ができて、更に坂道は下っていてもブレーキ機能があるので、安全でもある。

何故WHILLみたいな車椅子が必要かと言うと、統計を見て想定すると2050年までには世界の人口で60歳以上が20億人以上にも達するとのことだ。そこで日本人よりも、とくにアメリカ人(肥満大国)で自力歩行できない人たちがなんらかの形で車椅子が必要だろうと。

日本でも総務省統計局では2035年までに65歳以上の高齢者(日本では高齢者は65歳から)が3700万人(総人口1億1200万人)で国民の1/3が高齢者であると。そこにはマーケットがあるのか?
このような車椅子を買うことができるのだろうか?

総務省統計データ http://www.stat.go.jp/data/topics/topi721.htm

これから課題が多くなるだろう。
WHILLの車椅子は100万円くらいする。
すでにModel BはアメリカではFDAの認可を得ている。
日本でも保険適用とのこと。

しかし、これを活用できるのは日本でもそれなりの人しかいないだろう。
そして、もう一つ課題があるのは、運転だ。

安いのは簡単に折りたたみが出来て、車椅子の人でも運転手として使える。
そう言う人は大勢いるが、WHILLほど大きく、そして重たくなると、それすら出来なくなる。
そう言う場合、ウェルキャブみたいなモノではなく、車椅子に乗ったまま、車の操縦席になる仕組みが必要になる。
これもまた別の課題がある。

そうなると、重戦機エルガイムのスパイラルフローみたいなコックピットでそのまま乗り込める形が必要となるだろう。まだまだ先は長い。

私から杉江社長への質問は、2020東京オリンピックまでバリアフリー化を進めると言った東京都だが、果たして可能か?そして、そこに働きかけるにはどうしたらよいか?

そして得た回答が「今、必要なのは、人の意識を変えることが大切で、そこからはじめねばならない。」

いわゆる、東京オリンピックまでスモークフリー環境を作るのと一緒で、たぶん無理だろうと・・・

Good Luck!
まだまだWHILLの車椅子は改良するところがあるかと思った。
どこまでおカネを掛けれるか、またはそこの国のニーズとウォンツと照らし合わせる必要がある。
私は一分弱しか乗ってないが、左右に旋回した時、酔いを感じた。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。